アイビスペイントで書いたイラストに色を塗ろうとバケツツールを使ってみたら、何故か塗りたい所以外にも色がはみ出してしまったり、画面全体に色がついてしまったりしてお困りですか?
デジタル絵に慣れてないと塗りつぶしの使い方ってよく分かりませんよね。私も最初は「バケツ全然使えないじゃん!」ってイライラしたりしていました(^^;)
ここでは、私が使っているうちに覚えた「思ったところだけを塗りつぶすことが出来ない時の原因と対処法」をご紹介していきます。
解決の手助けになれば幸いです(*^-^*)
原因1:塗りつぶしたい場所の線がつながっていない
塗りつぶしがうまくできない時に多い原因が、塗りたい場所が線でしっかり囲まれていないというもの。
アイビスペイントの塗りつぶし(バケツ)機能というのは、線で囲まれた中を塗りつぶすものなので、線が途切れているとその外側まで色が流れ出て予期せぬところまで塗りつぶされてしまうのです。
丸いホットケーキ型にホットケーキミックスを流し込むと綺麗に丸く焼けますが、型の一部が欠けているとそこからホットケーキミックスが流れ出してフライパンに広がってしまう感じといいますか…ちょっとわかりにくいですかね(^-^;
例えば上のタイトル画像ですが、髪の毛だけを塗りつぶしたかったのに、背景や服の一部にまで色がはみ出てしまいました。
おかしいなーとよくよく探してみると、毛先の一部がつながっていませんでした。この隙間から漏れ出してしまっていたんですね。
なので、ここをしっかり描き足して閉じました。
よくよく見ると薄いグレーで繋がっているような部分からもはみ出す恐れがあるので、なるべくしっかりめに閉じてあげると失敗しませんよ。
閉じたあとにバケツを使うと、しっかり髪の毛だけ塗りつぶすことができました。
洋服にまで色がついていたのは、肩のあたりにも隙間があいていたからでした。こうやってすべての隙間を埋めていくと思った通りにバケツで塗りつぶすことができます。
◎線をつなぎたくない場合は塗りつぶし出来ないの?
イラストのテイストによっては、線できっちり囲みたくない場合もありますよね。そうすると塗りつぶしは使えないと思うかもしれませんが、実はやり方によっては主線を繋がずにバケツで塗りつぶすことも可能なんです!そのやり方を説明していきますね。
やり方といってもとても簡単です。まずは、主線のレイヤーの下に色塗り用のレイヤーを用意しましょう。
(わかりやすいようにレイヤー名を変更してあります)
色塗り用のレイヤーを選択したら、『塗りつぶしたい色』を選んでペンで隙間を埋めます。
↑さっき黒で描いたように塗りつぶしたい「茶色」で隙間を埋めました。
この状態でバケツを使って塗りつぶします。そうすると、はみ出さずに塗りつぶすことができますし、主線の隙間もそのまま残せます。
ようは、塗りつぶしたいエリアが囲まれていればいいので、別に主線の色じゃなくてもいいんですね。この方法なら主線をきっちり繋げなくてもバケツで簡単に塗りつぶすことができるのでオススメです。
ただし、注意点が2つあります。
まず、塗りつぶしに使う色が薄すぎる(明度が高い、白に近い色)とうまく判定してもらえないことがあること。もし、塗りつぶしたい色が薄くて上手くいかない場合はバケツの設定を変えることで出来るようになります。詳しくは【原因2】の項目で説明していますので参考にしてみてください。
それから、バケツの設定の「簡単設定」をオフにしていて、参照レイヤーを「キャンバス以外」にしている場合です。こちらも上手くできません。よくわからないときは「簡単設定」をオンにしておくといいですね。
こうなっていれば「オン」の状態です。
色が薄くバケツの設定を変える必要があるなら、参照レイヤーを「キャンバス」にしておきましょう。こちらの詳しい説明は【原因3】の項目で。
原因2:線が細すぎるor色が薄すぎる
きちんと線を隙間なく繋いである場合でも、どういうわけか塗りつぶしがはみ出したり画面全部に色がついてしまうことがあります。
あなたの描いた線画は白に近い薄い色だったり、0.5などの細い線だったりしませんか?この場合、ちゃんと隙間なく囲まれていても上手く認識してもらえないことがあります。
こちらが原因なら、解決法は「線の色を濃くしてあげる」もしくは「バケツの設定を変える」ということになります。わかりやすく簡単なのは線の色を変える方法ですが、どうしても変えたくないという場合はバケツの設定を変えるとそのまま線画を使うこともできます。
まずは、簡単な線の色を変える方法から説明していきますね。『太さはあるけれど色が薄い場合』と『色は濃いけれど線が細すぎる場合』がありますので、あなたの状況に合った方をやってみてください。
▼線の色を濃くする
◎太さはあるけれど色が極端に薄い場合
これは極端すぎますが(^^;)このように薄い色だと、そのままバケツを使っても上手くいかず他の所まで塗りつぶしてしまうことがあります。
そんなときは、『線画色変更』をして、少し線の色を濃くしてみましょう。
まず、ツールのメニューからフィルターを選択します。
フィルターの中から「線画色変更」をタップ。
すると、色相・彩度・明度を調節するバーが出てきますので、ここを動かして希望の色に変更します。
彩度が低く明度が高いと薄い色になりがちなので気を付けましょう。元の色よりも濃くなればOKです。
↓ちょっと濃い目のグレーに変更したら、無事に髪の毛だけ塗れました。
◎色は濃いけれど線が細すぎる場合
私の環境では、ブラシの細さが0.7以下だと塗りつぶしができませんでした。
このように細い線だと、線画色変更をしても今以上に濃い色にはなりません。なので、線自体を重ねて濃く太くしていくのが効果的です。
まず、レイヤーメニューを開きます。線画のレイヤーを選択した状態で、下の画像の①の部分をタップします。そうすると「レイヤーの複製」と「全結合を追加」という項目が出てくるので、上の「レイヤーの複製」を選びましょう。
そうすると、線画が描いてあるレイヤーがコピーされて、まったく同じものが描いてあるレイヤーが新しく作られます。
↑細すぎてサムネでは見えませんが、ちゃんとコピーされてます。
ここで一度レイヤーメニューを閉じてキャンバスに戻ってみると、線がはっきりしたのがわかると思います。細すぎて色が薄く見えていた線が2つ重なることで、濃くなったんですね。しっかりした分、少し太くなったようにも見えるかもしれませんが、そこまで極端な差ではないので気にならないと思います。
この状態なら、塗りつぶしも問題なくできました。
濃くなったのを確認出来たら、コピーしたレイヤーを元々の線画レイヤーとまとめてしまいましょう。二つあると紛らわしいですからね。
レイヤーのメニューを開いて、上になっている方の線画レイヤーを選びます。
上のレイヤーを選んだ状態で、右側のアイコンから上図②のマークをタップ。そうすると二つのレイヤーが結合されて一つになりますよ。
▼バケツの設定を変える
線画を変更したくない場合や、線の一部だけが細いor薄い状態の場合、もしくは原因1で説明したように塗る色で蓋をしたいが色が薄くて上手くいかない場合などは、バケツの設定を変えることでそのままでも塗りつぶしをすることができます。
まず、バケツマークの隣のカラフルな丸の所をタップします。
そうすると塗りつぶしの設定画面が出てきます。一番上の簡単設定の横のボタンをタップしてオフにしましょう。
これで設定が変えられるようになりました。そうしたら、「強さ」という項目のスライダーを動かしていきます。スライダーの丸をスワイプして動かしても、マイナスのマークをタップでもいいので、左側の方に動かしてください。そうすると%がどんどん減っていきます。
今回は5%まで減らしてみました。もしこれでも上手くいかないなら、もっと数値を減らしてみてください。0%にしちゃってもOKです。
一番下の参照レイヤーというところは、「キャンバス」にしておきましょう。
この状態で塗りつぶしをしてみると、このとおり細い線のままでもしっかり塗りつぶすことができました。
操作自体は簡単ですが、設定を大幅に変えたりすると、それはそれで塗りつぶしが出来なくなったりしますので注意しましょう。今回紹介した設定ならとんでもない動作になったりはしませんが、強さを下げる=どんな些細な色でも認識するという風にしてあるので、毛先や細めの隙間など「そこまで塗ってほしかった」という細かい部分に塗りつぶしが届かなくなりますので、多少手作業が増えます(^^;)
原因3:バケツの設定に問題がある
線の間に隙間もなく、細すぎもせず、色も薄くない。それなのに画面全部が塗りつぶされてしまう!という場合は、バケツの設定に何か問題がある可能性があります。
原因2でも少しお話しましたが、例えば先ほど説明した「強さ」の数値が大きく上がっていると線を認識できずにキャンバス全体が塗りつぶされてしまったりします。もしここがズレてしまっていたら、デフォルトの10%に戻しましょう。
また、バケツの設定の中でも上手く塗りつぶしができない原因になることが多いのが『参照レイヤー』の選び方です。設定の一番下の部分ですね。
参照レイヤーには、
- 作業レイヤー
- 指定レイヤー
- キャンバス
の3種類があります。それぞれ、
- 今選択しているレイヤーに描いてある絵をもとに塗りつぶしをする
- 好きなレイヤーを指定して、そのレイヤーに描いてある絵をもとに塗りつぶしをする
- レイヤーは関係なく、キャンバスに見えている絵そのままをもとに塗りつぶしをする
という設定になるんですが、はじめたばかりでレイヤーがどういうものかあまりわかっていないと、ちょっと難しいですよね。
例えば、ここが「作業レイヤー」を選んだ状態になっているのに、線画とは違う色塗り用のレイヤーにバケツで色を塗ろうとすると、何も描いてないからっぽのレイヤーに塗りつぶしをすることになってしまうので、キャンバス全部に色が塗られてしまいます。
同じように「指定レイヤー」で線画以外のレイヤーを指定していたら、たとえ線画のレイヤーでバケツを使ったとしても、どんな線が描かれているのかを判定しているのは別のレイヤーなので上手くできません。
あなたの参照レイヤーはどうなっていますか?「作業レイヤー」か「指定レイヤー」になっていて塗りつぶしができない状態なら、「キャンバス」を選択してもう一度バケツを使ってみてください。
キャンバスなら、簡単設定の時と同じように、見たままの絵をもとに塗りつぶしの範囲を判定してくれるので上手くいくと思います。
また、原因2の時のようにバケツの設定を変える必要が無ければ、簡単設定をオンにするだけでもOKです。
この参照レイヤーの設定は上手く使えば便利な機能ですが、よくわからないうちは『キャンバス』を選択しておくのが一番わかりやすいのでオススメですよ。
アイビスペイントの塗りつぶしができない原因と解決法まとめ
- 線が途切れていないか?
- 線は細すぎないか?色は薄すぎないか?
- バケツの設定を変えていないか?
アイビスペイントのバケツを使って大きくはみ出てしまう原因はこの3つにあることが多いので、チェックしてみてください。
あなたの状況に合った解決法は見つかりましたか?
せっかくお絵描きを楽しみたくても、こういうところでつまづいてしまうとイライラしたりやる気が無くなってしまったりしてしまいますよね(^^;)
この記事が素敵な絵を完成させるお手伝いになれば嬉しいです♪
⇒アイビスペイントのバケツがうまく使えない時の原因と対処法