前回記事⇒アイビスペイントの使い方初心者入門!Android版の基本操作
の続きです。
基本操作はわかりましたね。すべて自分で使って試してみると理解しやすくなるので、是非操作しながら読んでみてください。
今回は覚えると便利なレイヤー機能について詳しく説明していきます。
アイビスペイントのレイヤーってどんな意味があるの?
デジタルで絵を描く時に欠かせないのがレイヤー機能です。
これを活用することで、アナログで描くよりとてもカンタンに絵を仕上げられますよ。
◎レイヤー機能って?
頭の中に、透明な薄い板のようなものを思い浮かべてみてください。ガラス板でも、プラスチック板でもかまいません。
その透明な板に絵を描くと、絵が描いてある部分以外は透けて下が見える状態ですよね。
その板の上に、もう一枚透明な板を重ねて絵を描いたら、どうなると思いますか?
そうです。上の板の絵が描いてある部分以外には、下の板の絵が透けて見えていますよね。
板の順番を反対にすれば、上に来る絵が変わって、下の板の絵は上の絵と重ならない部分だけが見える状態になります。
この透明な板の役割がレイヤーなんです。
例えば、レイヤーを2つ作ってみます。
上から順番に、
線画レイヤー
色塗りレイヤー
としておくと、どんなに乱暴に色塗りをしても、線画は常に前面に表示されているので、消えることはありません。
↓は例ですが、色のレイヤーが上にあるか下にあるかで見え方が違うのがわかると思います。(クリックで再生)
このレイヤーを使えば、背景、線画、色塗り、文字入れなどを分けて描くことができ、それぞれに干渉しないので好きなだけ描き直したり、位置を変えたりなどの編集ができるようになります。
活用すれば、より「楽」に絵が描けるんですよ!
そして、レイヤーを使うときに便利な機能は他にもあります。
◎クリッピングと不透明度ロックって?
レイヤーメニューの中に、「クリッピング」と「不透明度ロック」というものがあります。
これを覚えると非常に便利なので早速使ってみましょう。
クリッピングとは?
レイヤーが2つ以上ある時、上にある方のレイヤーを下のレイヤーにクリッピングすることができます。
その状態で上のレイヤーに絵を描くと、下のレイヤーに絵が描いてある部分だけに描かれて、そこからはみ出すことはありません。
↓こんな感じです。クリッピングするとはみ出していた部分が消えて、描けなくなっていますよね。
これを利用して、影や服の模様などを描くと便利ですね。
例えば、肌の色だけを塗ったレイヤーの上に新規レイヤーを作りクリッピングして影を塗るとか。
これなら他の部分にはみ出さないし、失敗しても影レイヤーだけを描き直せるのでオススメです。
不透明度ロックとは?
これは、選択したレイヤーの不透明度(少しでも絵が描いてあるところ)をロックして、その部分にだけ絵を描けるようにする機能です。逆に何も描いていない透明な場所には描画ができないようになります。
クリッピングと似たような感じですが、こちらは同じレイヤーの中で描くので、失敗したらやり直したいという場合には不向きです。
なので、例えば「線画の色を変えたい場合」などにはオススメですね。
線画レイヤーの不透明度をロックして、サイズ大きめにしたお好きな色のブラシでざーっとなぞれば、簡単に色を変えることができます。もちろん、部分部分で線の色を変えることもできますしね。
◎ブレンドモードって?
レイヤーメニューの中に「普通」と書かれた選択ボックスがあると思います。
これをタップすると、乗算やスクリーンなど、たくさんの項目が出てきますよね。
これってどういう意味なんでしょうか?
このブレンドモードを変更すると、今までのように描いたものがそのまま表示されるのではなく、ちょっと違った効果が出ます。
例えば、肌色を塗った後、上にレイヤーを作ってその肌色のまま普通に塗っても、同じ色ですからわかりませんよね?
そこで、上のレイヤーを乗算または焼き込みカラーにして、同じように塗ってみてください。
どうですか?影のように暗い色になりましたよね。
逆に、スクリーンや覆い焼きにすると、薄い色や白になると思います。
ちょっとわかりにくいですが、
この画像
の星の部分のブレンドモードを変えてみた画像がこちらです。
色によって見え方がまた違ってくるので参考になるかわかりませんが、こんな感じでそれぞれ違います。
どんな場面で利用するのかは人によると思いますが、例を上げるなら、
- 簡単に影を付けたいときは乗算か焼き込み
- 簡単にハイライトを入れたい時はスクリーンか覆い焼き
- 光っている感じを出したい時は加算・発光
色々試してみて、自分なりの使い方を見つけてみてください。
まとめ
どうでしょう、少しはレイヤーについてわかりましたでしょうか。
レイヤーというのは透明な板で、パーツごとに分けて重ねることで1枚の絵として完成します。
これを利用すると、背景と人物を分けて描くことができたり、一つの失敗が作品全体の失敗にならず描き直せるので、とっても便利ですね。
これに慣れると、アナログで描く時すごく緊張します(^-^;
クリッピングやブレンドモードなども組み合わせると、手軽にいい感じの絵が出来たりするので、是非色々触って試してみてくださいね。
ただ、絶対にレイヤーを使わなきゃいけないという事はありません。
厚塗りをされる方なんかは、1枚のレイヤーだけで描かれますしね。
難しかったら最初は「線」と「色塗り」の二つに分けるだけでもいいと思います。使いながら追々慣れていけばいいんじゃないでしょうか。
一番大切なのはやっぱり、絵を描くことを楽しむことですからね♪
次回は簡単な絵を描く手順について説明したいと思います。
⇒アイビスペイントでの絵の描き方、具体的な手順が知りたい!