アイビスペイントを使ってアナログで描いた絵に色を塗りたい!と思っても、最初はなかなか上手くいきませんよね。
写真を取り込むことはできても、その先どうやって塗ったらいいのか?デジタルに慣れていないとその操作法もさっぱり…なんて困ってしまいます。
でも、これができるようになったら、アナログよりもちょっぴり楽して色が塗れるようになるので、覚えたいところです。
ここからは、アナログの線画を取り込んで色を塗る手順を、画像を使って詳しく説明していきます。
是非、あなたも実際に操作しながら読んでみてくださいね!
アイビスペイントでアナログ絵に色塗りする手順
アイビスペイントでアナログ絵に色を塗るとき、写真にとった線画を抽出するかしないかで、ちょっと違った操作になってきます。
今回は、簡単な「線画抽出しないでそのまま塗る方法」について紹介してきますね。
①線画を取り込む
まずはアナログで描いた下絵を写真に撮ってアイビスペイントに取り込みます。
取り込み方についてはコチラで詳しく解説していますので、わからなかったら参考にしてやってみてください。
取り込み終わった状態がコチラになりますね。
ちょっと暗すぎるかな?と思ったら、「ペンや消しゴム」のマークをタップしてツールメニューを開きます
フィルターをタップして、出てきたメニューの一番上の「明るさ・コントラスト」を選択します。
明るさを右に上げていくと、画像がどんどん明るくなっていくので、ちょうど良いところに合わせましょう。
コントラストを上げると、白と黒の差がはっきりしていきます。白くし過ぎて線画が薄くなってしまうときは、ほんの少し上げてみるといいかもしれません。上げ過ぎると線がギザギザになって変なので、ほどほどに。
このとき、つい真っ白にしたくなるかと思うのですが、真っ白より少し手前の、紙の質感などがちょっと残ったくらいの明るさにしておくと良い感じに仕上がるのでオススメです。
これで準備は完了です。
②取り込んだ線画のレイヤーを「乗算」にする
デジタル絵を初めて最初に立ちはだかる謎の存在が「レイヤー」ですよね。笑
どんなものか今はよく分からなくても、手順通りに進めていけばちゃんと塗れるので、深く考えずにまずはやってみましょう!
まずは、先ほどのレイヤーメニューを開いた状態の画面を見てみましょう。
この「1」とか「2」とついた四角が「レイヤー」呼ばれるものです。一番上は今は無視してOK。
取り込んだアナログ絵があるレイヤーは「2」になっていますよね。このレイヤーが選択されているのを確認してください。
選択されているのがわかったら、右下の「普通」という部分をタップしてみてください。そうすると、次の画像のようにメニューが出てきます。
その中から、「乗算」をタップしましょう。青く選択されたら、また右下の文字(「普通」から「乗算」に変わっていますね)をタップしてメニューを閉じます。
これで、取り込んだ画像の線画だけ使って色を塗ることができるようになりました。
…と言われてもよくわからないと思うので、試しに、アナログ絵のレイヤーの下の「1」のレイヤーを選択して、ペンでグリグリっと色を塗ってみてください。
こんな感じに、ちゃんと線を残して色が塗れていますよね。
③下のレイヤーに色を塗っていく
ここからは、すべて「アナログ絵レイヤーより下」にレイヤーを作って作業していきます。上にレイヤーを作って塗ってしまうと、アナログ絵が消えてしまいますので気を付けていきましょう。
塗り方は人により好みがあると思いますが、私の場合の手順をざっくりご紹介しますね。
まず、先ほどグリグリっと書いた線を消して、「1」のレイヤーに肌色を塗っていきます。最初はベースの色をべたっと塗るだけです。
ペンの種類は「ペン(フェード)」を使っています。バケツなどは使わず、アナログと同じようにペタペタと塗りました。
次に、「肌色を塗ったレイヤー」の上に新しくレイヤーを作ります。肌色レイヤーを選択したまま、左側の「+」をタップすると、一つ上に新しいレイヤーが出来ます。
新しいレイヤーが出来たら、それを選択して、左下の「クリッピング」というボタンをタップします。
その状態でその新しいレイヤーに「肌の影」を塗っていきます。
クリッピングをすると、下のレイヤーに何かが描いてある部分にだけ、色を塗るようになるので、はみ出したりしないんです。便利ですよ♪
こんな感じで影を塗りました。
次に、また先ほどと同じ手順で、肌の影レイヤーの上に新しいレイヤーを作り、クリッピングしましょう。
この画像を見ると、影レイヤーにクリッピングされているような感じがしますが、ちゃんと元の肌色レイヤーにクリッピングされているので大丈夫です。
この新しいレイヤーにはハイライトや頬の赤みなどを描きました。
これで肌は完成です。
次に、肌の上に新しいレイヤーを作ります。
ココには、髪の色を塗ります。手順はさっきと同じ、①ベースを塗り、②上にレイヤーを作ってクリッピングして影を塗り、③その上にまたレイヤーを作りクリッピングしてハイライトを塗ります。
これを各パーツごとに繰り返して塗っていくと、大体こんな感じに仕上がりました。
目のハイライトなど、線画より上に描きたいものがあれば、アナログ絵より上にレイヤーを作って描きます。
背景は、一番下のレイヤーに描くと人物の後ろにだけ描けるので楽ですよ。
④画像のサイズを整える
完成~と言いたいところですが、キャンバスサイズと取り込んだ画像のサイズが合っていないと、左右にこんな隙間が。
これ、気になりますよね。
そんな時は、ツールメニュー(ペンや消しゴムマークになるところ)から、キャンバスを選択します。
そのなかから、トリミングを選びましょう。
あとは、赤い枠を切り抜きたい範囲に合わせて決定するだけ。
余計な隙間を切り取って無くすことができました。
④線画の色を変えてみる
これで完成としても良いのですが、ちょっと線画の黒が目立っているように見えますね。
そこで、簡易的に線画の色を変更してみます。
まず、アナログ絵のレイヤーの上に新規レイヤーを作り、クリッピングします。
次に、新しく作ったレイヤーのモードを「スクリーン」にします。
そこに線画に使いたい色を塗ってください。
↑このようになっていればOKです。
線画の色が変わりましたね。
これが一番簡単な方法ですが、これだと濃い色を塗った部分などは線画の色も濃くなってしまったりするので、絶対に綺麗に出来るわけではありません。
↑こんな感じで、濃い色と重なっている線は色が濃くなってしまいます。
これでかなり印象が変わったと思います。もっときっちり線画に色を付けたいなら、線画抽出して塗った方が良いですね。
これで完成です!
アイビスペイントで色塗りするコツ、アナログ絵の場合は?
この、取り込んだ画像をそのまま使って色塗りする方法は、完璧なデジタル絵を描きたいときには不向きですが、アナログ絵の雰囲気を残した仕上がりにするにはとても手軽でイイ感じです。
この塗り方をする時の私なりのコツをご紹介しますね。
①写真の明るさを調節する時、紙の質感を消さないようにする
これは先ほどの「取り込んだ画像がちょっと暗かった場合」の所でも軽く説明しましたが、真っ白に色をとばしてしまうよりも、紙の質感が残る程度に調節したほうが、アナログで色を塗ったような、味のある仕上がりになるのでオススメです。
例に出したイラストの線画を、試しに真っ白に調節してみると、こんな感じに仕上がります。
これはこれで綺麗で良いですし、もちろん好みで選んでOKです。ですが、この仕上がりを目指すなら、線画抽出をして塗った方がやりやすいかな、と私は思うので、この方法で塗るならアナログ感を残した方が個性的な良い絵になる気がしています。私見ですが(^^;)
②あまり塗りこみすぎない
せっかく紙の質感を残しているので、あまり濃く厚く塗り過ぎない方が素材の味を活かせます。例に挙げたイラストでもちょっと塗り過ぎたかな?と感じますね。
もうちょっとラフに、水彩で塗るような感じの方が、よりアナログ感を活かせて良いと思います。
こんな感じに、罫線ありノートにシャーペンでザっと描いた絵に塗るのも簡単で良いですね。
ちょうど良い絵が無く、謎の落書きですが…笑
ノートの落書きに色を塗ったような感じが良い雰囲気です。
アイビスペイントでアナログ線画に色塗りする方法まとめ
この画像を乗算にして色を塗る方法は、
- ちょっとスマホでの色塗りを体験してみたい
- ガッツリ描くほどではないけれど、色を付けたい
- アナログで塗ったような作品に仕上げたい
という場合にピッタリな塗り方です。
特に私はアナログでのペン入れが苦手なので、シャーペンの落書きにササっと塗って満足することが多いです。笑
実際にアナログで塗るより、間違いを戻せたり、はみ出さないように影を塗れたり、慣れると便利ですからね。
また、ここで紹介したのはあくまでも私個人の好みの塗り方です。「こうするべき」というものでは無いので、一つの参考として見ていただけたらなと思います。
◎乗算にしたアナログ絵のレイヤーを一番上に置いておく
というポイントさえ気を付ければ、好きに塗ってOKなので、どんどんチャレンジしてみてください♪
レイヤーやクリッピングについてもっと知りたいときはコチラの記事(⇒アイビスペイントのレイヤーの意味とは?使い方を解説)で説明していますので参考にどうぞ。
それでは、楽しくお絵描きしていきましょう!
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